飯田 敦夫(京都大学大学院医学研究科 グローバルCOE特定研究員)

2012年2月3日金曜日

【昨日の続き】お魚を使った研究.

昨日の色のついた魚の話の続きです。飯田です。

昨日の魚、普通に『』と表現しましたが、実のところ『蛍光』です。
細かいことは省きますが、特定の波長の光(ブラックライトなど)を当てると、光ります。
↓こんな風に。























この魚はGFP(Green Fluorescent Protein; 緑色蛍光タンパク質)を遺伝子組換えで導入しています。

さて、このような魚を使うとどんな研究が出来るのか?
今日は、病気の研究にも役立つ細胞移植について紹介します。
細胞移植とは、2匹魚を用意して、片方の魚からもう片方の魚に細胞を移してやることです。
この時に、例えば、細胞を提供する側の魚がガン細胞を持っているとすると、以下のようなことが調べられます。
























光らない魚の中で、病気の細胞(ガン細胞)だけが光るので、どこでどのように悪さをして、どんな風に増えていくのかを調べることができます。
マウスなどの哺乳類でも同じことは可能ですが、生きたままの全身を観察して細胞の動きを調べられるという点で、小型で手軽に扱えるお魚が便利な材料とされています。

では次に、イラストではなくて実際の写真データを紹介します。
下は、発生の初期で細胞を移植した(卵から産まれる寸前くらいの)ゼブラフィッシュの稚魚です。

























この実験では『全身で赤色』『血管だけで緑色』の魚から、光らない普通の魚に、ちょっとだけ細胞を移植しています。
なので、光る魚に由来するちょっぴりの細胞が赤色で見えます。
そして、その中で血管になったほんのちょっぴりの細胞だけに緑色が入っているというわけです。

これで何を調べていたか具体的なことはちょっと秘密ですが、研究の現場ではこのような試料を観察しながら、新しい発見を探してモヤモヤと生活しています。
少しは、イメージを掴んでもらえたでしょうか?
これから研究の内容のみならず、現場の雰囲気についても、このブログで紹介していきたいと考えています。

では、今日はこの辺で。
また近いうちに。

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いいだ あつお

2 件のコメント:

  1. 本当にやさしく、分かりやすく紹介をいただき有難うございます。
    このまま、子供たちのためが科学が好きになるような本ができると思いますが・・・

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    1. 京都大学 飯田敦夫2012年2月6日 18:11

      コメントありがとうございます。
      とりあえずは、親戚の子供達を理系の道に誘い込むことが目標です。
      親泣かせの博士の道に(笑)

      本なんてまだまだです。
      セミナーのスライド作りでも徹夜まがいの有様ですから…。

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