飯田 敦夫(京都大学大学院医学研究科 グローバルCOE特定研究員)

2012年7月28日土曜日

【輪切りで】鮭の切り身のように【観察する】

夏の猛暑か、気持ちのやさぐれか、ビールの美味しい7月です。飯田です。
今日は、鮭の肴としても一級品、魚の切り身の話です。

先月紹介して、特定の層を含むかなりの訪問者数を稼いでいるBL魚ですが、少しずつ解析に着手しています。
最近では、からだの中の構造を観察するために切片化して観察しました。
切片とは、魚を下の図のように輪切りにして、断面を観察することです。













で、切ってみたものが下の図。























理解を助けるイメージ図として、鮭の切り身を並べています(笑)
鮭は内臓を抜いてありますが、骨や肉・皮などの構造からイメージし易いと思います。
つまり「居酒屋で切り身の焼き魚や、シシャモをかじって断面を観察しているようなもの」と、ご理解ください。

ただ漠然と全体を見てるわけではなく、もちろん見たい場所があるわけですが、本命についてはココでは紹介できないので、例として背側と腹側を拡大した写真を下に。


拡大して観察できるレンズ&顕微鏡を使えば、かなり細かい構造まで観察することができます。
それこそ細胞ひとつひとつまで。
今日は、下の拡大図にある穴状の構造が何かを紹介します。

これは、もっとも腹側にある穴(管状)の構造です。
人間に例えて言えば、直腸に該当する消化管の端っこ部分です。
もっと俗っぽく言えば、ウ●コが出る直前に通る管です(笑)
つまり下の図のようなこと。


こんな風に、切片で目的とする器官・組織の形態を詳細に観察して、その形状や位置の情報から生きた魚ではどのように働いているかを妄想する作業をしています。
次は、麻酔で眠らせた生の魚を解剖して、目的とする組織を生きた状態で観察します。
気持ち的には今すぐに、スケジュール&テンション的には、夏の終わりまでにはなんとか・・・。

飯田でした。


2012年7月14日土曜日

【若狭高校】小浜キングゲイナー【学問体験講座】

小浜市は米国大統領とのコラボを考えると同時に、"OVERMANキングゲイナー"とのコラボは考えなかったのかな?と、ここ4日くらいモヤモヤしています。飯田です。

ということで、福井県小浜市の若狭高等学校に行ってきました。
『学問体験講座』という、外部から講師を招聘して高校1年生に大学の模擬授業などを体験するイベントです。
飯田は、大学の同期が教員として勤務している縁で呼んでもらった、というスンポーです。

で、学生時代の仲間と会うのに、仕事だけで終わるわけもなく、
前日入りして、若狭の海の幸に舌鼓を打ちながら、北陸の教育・受験事情や大学教育に求められる課題などを、膝付き合わせて、腹を割って議論しました(建前)。
















↑バマオのグーフー(小浜のフグ)を堪能しました。





そして、翌日の午前に、学問体験講座を60分×2セット(各15名ほど)行なってきました。




























内容は、光る魚の原理や作り方、応用例などを紹介したのですが、受験を意識した高校1年生が相手だったので『もっと大学生活や理学部のざっくりした話の方が良かったかな?』というのが反省点です。
相手の年齢層だけじゃなくて、場面場面に応じたニーズを考慮する必要性を少し学びました。

なあに、次はもっと上手くやるさ。←失恋したときetc.の定番フレーズ

飯田自身もまだまだ発展途上ということで。

それにしても、高1ってことは15歳で、もしかしたら飯田はこの子達の父母と同世代なのかも・・・と考えたら背筋がゾッとしたので考えるのを止めました。うん忘れよう。

そんな感じで、子供達の進路選択にいかほどの影響を与えられたかは分かりませんが、5年後10年後に彼らと生物業界で再開できる日を夢見て、さらに精進します。
帰り道の鯖街道では鯖寿司をお土産に買って、京都に戻りました。

















そして研究室に戻ったら、何やら財団の小倉さんから電話があったとのこと。
詳しい状況は分かりませんが、三谷先生のやさしい科学技術セミナーがNHKで報道されたりしたんですか?>小倉さん
上記のような理由で、ちょっと留守にしてました。
何か面白いことがあったら、ブログでの報告楽しみにしてますね!>三谷先生

飯田でした。



2012年7月4日水曜日

【透明】スケスケだぜ!!【ゼブラフィッシュ】

ご無沙汰してます。飯田です。
新キャラの紹介です。

以前の記事で「ゼブラフィッシュは子供の頃はからだが透明だから、観察に適している」みたいなことを書きました。
以下の写真は産まれて2〜3週間の魚です。
黒い色素が少しだけ邪魔していますが、からだの内部の血管(緑)や血球(赤)がよく見えます。













しかし大人になると、鱗や模様が邪魔をしてからだの内部を観察するのは難しくなります。
そこで今回新しく、大人でもからだが透明なcasper(名前はおばけのキャラクターに由来?)という突然変異体を入手しました。
※開発者による論文:Transparent adult zebrafish as a tool for in vivo transplantation analysis
※直接の入手元:京都大学情報学研究科・前川真吾さん


上が普通のゼブラフィッシュ、下がcasper変異体です。
からだの表面の色素が無いので、生きた状態で中の様子が透けて見えます。
身近(?)な生き物に例えると、ウーパールーパーのようでしょうか?























具体的にどんな構造が見えているかというと、以下のようになります。


水槽の中を普通に泳がせている状態でもここまで見えるので、顕微鏡下で光の当て具合などを工夫すればもっともっと色んな構造を見ることができます。
そこに遺伝子組換えで光る遺伝子を入れたら、それはもう(以下略

ということで、生まれたての子供ばかりじゃなく、大人の魚でもからだの中の様子が見たいなー、と思ってこのような魚を入手して育成中です。
何か面白いものが見えたら、(育成&交配の都合上、半年〜数年後の話ですが)また報告します。

【余談】その他の透明な生き物
小型魚類業界ではcasper以前から、名古屋大学で開発された透明メダカが割とポピュラーな存在です。
他にも、三重大学ではmiekomachi(三重小町?)というcasperに似た魚が開発されており、広島大学からは透けるカエル『スケルピョン(正式名称?)』が報告されています。
世の中には、実験動物以外にも様々な透明な生き物が知られています

マウスなどの哺乳類とは趣が異なり、かなりぶっ飛んだ、想像を絶する面白いヤツらがいるってのが、非哺乳類の醍醐味のひとつだと思っています。
(※ちなみに哺乳類最強の変なヤツはハダカデバネズミだと思ってます。)
それでは。また近いうちに。

飯田でした。