飯田 敦夫(京都大学大学院医学研究科 グローバルCOE特定研究員)

2012年7月4日水曜日

【透明】スケスケだぜ!!【ゼブラフィッシュ】

ご無沙汰してます。飯田です。
新キャラの紹介です。

以前の記事で「ゼブラフィッシュは子供の頃はからだが透明だから、観察に適している」みたいなことを書きました。
以下の写真は産まれて2〜3週間の魚です。
黒い色素が少しだけ邪魔していますが、からだの内部の血管(緑)や血球(赤)がよく見えます。













しかし大人になると、鱗や模様が邪魔をしてからだの内部を観察するのは難しくなります。
そこで今回新しく、大人でもからだが透明なcasper(名前はおばけのキャラクターに由来?)という突然変異体を入手しました。
※開発者による論文:Transparent adult zebrafish as a tool for in vivo transplantation analysis
※直接の入手元:京都大学情報学研究科・前川真吾さん


上が普通のゼブラフィッシュ、下がcasper変異体です。
からだの表面の色素が無いので、生きた状態で中の様子が透けて見えます。
身近(?)な生き物に例えると、ウーパールーパーのようでしょうか?























具体的にどんな構造が見えているかというと、以下のようになります。


水槽の中を普通に泳がせている状態でもここまで見えるので、顕微鏡下で光の当て具合などを工夫すればもっともっと色んな構造を見ることができます。
そこに遺伝子組換えで光る遺伝子を入れたら、それはもう(以下略

ということで、生まれたての子供ばかりじゃなく、大人の魚でもからだの中の様子が見たいなー、と思ってこのような魚を入手して育成中です。
何か面白いものが見えたら、(育成&交配の都合上、半年〜数年後の話ですが)また報告します。

【余談】その他の透明な生き物
小型魚類業界ではcasper以前から、名古屋大学で開発された透明メダカが割とポピュラーな存在です。
他にも、三重大学ではmiekomachi(三重小町?)というcasperに似た魚が開発されており、広島大学からは透けるカエル『スケルピョン(正式名称?)』が報告されています。
世の中には、実験動物以外にも様々な透明な生き物が知られています

マウスなどの哺乳類とは趣が異なり、かなりぶっ飛んだ、想像を絶する面白いヤツらがいるってのが、非哺乳類の醍醐味のひとつだと思っています。
(※ちなみに哺乳類最強の変なヤツはハダカデバネズミだと思ってます。)
それでは。また近いうちに。

飯田でした。

4 件のコメント:

  1. casperさんは、目もまん丸で卵のせいか体も少しふっくら、ひれの形もふんわり見えて、なんだか白メダカに似てますね。
    お魚のアイデンティティーはやはり模様によるところが大きいのでしょうか?

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  2. 飯田@京都大2012年7月6日 16:48

    友加さんじゃあありませんか。
    体型は個体差だと思うけど、casperは二重変異体で原因遺伝子も片方は不明だったと思うので、もしかしたら色素以外にも表現型あるかもね。

    遠い未来の妄想だけど、「casper変異体達の中で1匹だけ育った野生型♂は、自分と同じ体色の野生型の♀に発情するのか?」みたいな実験(というか道楽)をやってみようかとも思ってます。
    「魚って、自分で自分の体色を視認して、同じ仲間を認識するのかな?それとも周りにいる友好的な奴らを仲間と思うのかな?それとも視覚じゃなくて匂いとかフェロモンかな?」みたいな疑問です。

    誰かやってそうだけど。趣味で。

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    1. 確か色を認識してる的な実験はありましたよね?なんのお魚か忘れたけど。
      小学校の国語の教科書に載ってた気が、、、ちがったっけ?なんせ、うん拾年前の、、、

      お魚さんは目がいいのかな?
      私からみたら、同じような別の種類がいっぱいだけど、間違えないのだろうか?

      色々楽しみですね。

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    2. 飯田@京都大2012年7月7日 1:23

      多分。多分だけど。
      群れで回遊するような魚は厳密な空間認識機構は要らないけど、複雑な地形の磯で単独生活するイシダイなんかはそういう能力に優れてるんですよ。
      要するに魚種次第。

      そして最近『魚類心理学』なるセミナーを聞いて「アジは成長して生活環境が変わるにつれて学習能力(空間認識能力)に変化が出る」みたいな話を聞きました。(うろ覚え)
      http://hairiron1013.blog76.fc2.com/
      なので、魚種によっても違うし、成長の過程で変遷する生活環境によっても学習能力は変化するみたいです。
      それが単なる「慣れ」や「適応」なのか、柔軟に対応できる「知能」なのは謎ですけど。

      ほら。なんかオレ研究者っぽい!(笑)

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